【茶トラ猫の謎】ついに科学が解き明かした秘密と、人と猫の深い絆

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2024年、長い間謎とされてきた「茶トラ猫の毛色の秘密」が、ついに日米の研究チームによって解明されました。その謎は、実に113年もの間明らかにされていなかったといわれています。

そしてこの歴史的な解明には、日本からも重要な貢献がありました。研究の共同執筆者のひとりに、九州大学高等研究院の佐々木裕之特別主幹教授が名を連ねているのです。世界的な発見に日本の研究者が関わっていることを知り、猫好きのひとりとして、そして日本人としても誇らしく、うれしい気持ちになりました。

この感動を共有したくて、茶トラ猫の毛並みに秘められた科学の物語と、世界の猫文化と人との深い絆をテーマの記事です。猫が大好きで、海外旅行を計画している人の参考になれば嬉しいです。

目次

茶トラ猫の毛色の秘密がついに判明!

2024年、長年の謎とされてきた「茶トラ猫の毛色の秘密」が、ついに日米の研究チームによって解明されました。その謎は、実に113年もの間未解明だったといわれています。

くつろぐ茶トラ

茶トラ猫の鮮やかなオレンジ色の被毛は、「Dkk4(ディーケーケーフォー)」という遺伝子の突然変異によって生まれることが明らかになりました。Dkk4は、胎児の段階で皮膚の細胞に働きかけ、毛の模様や色のパターンを決定づける重要な役割を担っていて、この遺伝子の働きが変化することで、特有の縞模様や明るいオレンジ色が形成されるというのです。

今回の発見は、猫の毛色や模様に関する遺伝学だけでなく、動物全体の進化や多様性の理解にも寄与すると期待されています。私たちが普段目にする猫の姿には、長い進化と精密な遺伝的メカニズムが隠されていることを、この研究は教えてくれます。科学の視点から猫を見ることで、猫という存在への理解がより一層深まっていくのではないでしょうか。

参考文献

https://theconversation.com/ginger-tortie-calico-the-mystery-gene-responsible-for-orange-colour-in-cat-coats-has-been-found-244934?utm_source=clipboard&utm_medium=bylinecopy_url_button

ベルギー・イーペルの猫祭り

外務省ホームページから引用https://www.be.emb-japan.go.jp/itpr_ja/machikado_007.html

ベルギー西部の小さな町イーペルでは、3年に一度、「猫祭り(Kattenstoet)」というとてもユニークなお祭りが開かれます。この伝統行事は中世の風習に由来しており、猫と町の歴史にちなんださまざまなイベントが街を彩ります。

私が絶対に行ってみたいと思っているイベントの一つですが、この祭りに特化した旅行プランがなかなかありません。そんな時は、旅のプロフェッショナルが自分にぴったりのプランを作ってくれるトラベル・スタンダード・ジャパンがおすすめです!

祭りの日には、猫の仮装をした人々がパレードを繰り広げ、町中がにぎやかで楽しい雰囲気に包まれます。巨大な猫の人形や、猫に扮した子どもたちの行進、色とりどりのフロート(飾り付きの山車)も登場し、観客の目を楽しませてくれます。中には、茶トラ猫をモチーフにした衣装や飾りも見られ、明るいオレンジ色が祭りに温かな彩りを添えています。

また、町の中心にある歴史ある鐘楼からは、ぬいぐるみの猫が投げられるというユニークな儀式も行われ、多くの観光客でにぎわいます。小さな茶トラのぬいぐるみを手に入れた子どもたちの笑顔も、祭りの名物のひとつです。

この猫祭りは、町の人たちが猫への敬意と愛情をあらためて感じる大切な機会となっており、地域の絆を深める場でもあります。猫という存在が、今もなお人々の暮らしや文化に深く結びついていることを教えてくれる、心あたたまるお祭りです。

古代エジプトでは神聖な存在の猫

エジプト座り(猫が後ろ足を曲げて腰を下ろし、前足を揃えて座る姿勢)

茶トラ猫は、何千年も前から人々と共に暮らしてきたとされます。古代エジプトの墳墓に描かれた装飾の中にも、茶トラ猫らしき姿が見られることがあるそうです。また、一部の猫のミイラが茶トラだったと考えられており、当時の人々が猫の毛色や柄にどれほど関心を持っていたのか、想像がふくらみます。

古代エジプトでは、猫は単なる愛玩動物ではなく、神聖な存在として深く敬われていました。その象徴が、猫の頭を持つ女神「バステト神」です。彼女は家庭の守護神であり、豊穣や女性を守る神として人々の信仰を集めていました。

当時の猫は、穀物を荒らすネズミや害虫を駆除する存在として、生活に欠かせない重要なパートナーでもありました。そのため、猫を傷つけたり殺したりすることは重罪とされ、死後はミイラにして丁重に埋葬されるほど、大切に扱われていたのです。

こうした猫への深い敬意は、古代エジプト人が自然と調和しながら暮らしていた証でもあります。猫は神の使いであり、人々の暮らしを守る存在でした。その精神は、現代における猫との共生にも、どこか通じるものがあるのかもしれません。

日本でも、動物保護に関する歴史的な例として、江戸時代の5代将軍・徳川綱吉が出した「生類憐みの令」があります。これは、人や動物、特に病人や捨て子などの弱者を保護することを目的とした法令で、「命を大切にする精神」を強く打ち出したものでした。

とはいえ、その実態は綱吉の個人的な思想や、特に犬への強い愛情が色濃く反映されていたとも言われています。実際に「犬公方(いぬくぼう)」と呼ばれるほど犬を寵愛しており、江戸の街には犬専用の保護施設まで作られたほどです。命を尊ぶという理念そのものは重要である一方、当時の庶民にとっては過剰な政策と映り、反感を買うことも少なくありませんでした。この法令は、動物福祉の歴史においても興味深い事例のひとつです。

イタリア・ローマの「猫の聖域」

ROME, ITALY

イタリア・ローマの中心部にある「ラルゴ・アルジェンティーナ」は、紀元前の神殿遺跡が残る歴史的な場所ですが、そこにはもう一つの名物が存在します――自由に暮らす猫たちです。この遺跡は「猫の聖域」としても知られ、地域の人々によって野良猫たちが保護され、観光客にも愛される存在となっています。

20年以上前、ローマを旅したときのことです。例にもれず、ヴァチカン市国を訪れ、美術館で壮大な芸術の数々に圧倒されながら観光を楽しんでいました。その後、ランチをどこで食べようかと街をぶらぶら歩いていたとき、偶然たどり着いたのが「猫の聖域」でした。
そこには、いわゆる野良猫たちが静かに、そして堂々と古代の石の上で昼寝をしていたり、遺跡の柱の間をゆっくりと歩き回っていたりと、まるで時代の番人のような佇まいを見せていました。
観光地の喧騒から少し離れたその場所で、猫たちと古代遺跡が自然に調和している光景に心を打たれたのを、今でもはっきりと覚えています。

この猫の聖域は、動物保護の視点からも注目されていますが、それ以上に私たちに「歴史の継承と共生」という深い価値観を教えてくれる、特別な場所なのです。

トルコ・イスタンブールは猫が繋ぐ街と人

イスタンブールの街と猫

トルコのイスタンブールは、「猫の都」として世界的に知られています。​この街では、猫たちが地域の一員として自然に溶け込んで暮らしています。​路地裏のカフェの椅子やモスクの階段、古書店の棚の上まで、猫たちは街のあらゆる場所に自由に存在し、誰からも歓迎されています。​

住民たちは猫に食事や水、寝床を提供するだけでなく、病気の猫を見かけたら動物病院へ連れていくなど、保護と共生の意識が根付いています。​猫に特別な所有者がいなくても、街全体がひとつの「飼い主」のような存在となっているのです。​

このような文化は、猫を通じて築かれた人と人とのつながりや、思いやりに満ちたコミュニティの象徴とも言えるでしょう。​猫たちはイスタンブールという都市の景観を彩るだけでなく、互いを支え合う心の象徴として、現代社会における共生の理想を体現しています。

ハワイ・ラナイ島「キャット・サンクチュアリ」

サングラスとレイをかけた茶トラ猫

ハワイ諸島のラナイ島には、「ラナイ・キャット・サンクチュアリ(Lanai Cat Sanctuary)」と呼ばれる猫たちの楽園があります。​2025年現在、約700匹の猫たちが4エーカー(約1.6ヘクタール)の広大な敷地で自由に暮らしており、猫好きにはたまらない癒しのスポットとして世界中から注目を集めています。​

この施設は、野良猫の保護だけでなく、島の固有種である鳥類との生態系バランスを守る取り組みとしても高く評価されています。​元々、野良猫が野鳥の生息環境に影響を与えていたことから、保護と共生の両立を目指してこのサンクチュアリが設立されました。​猫たちは全て避妊・去勢手術を受け、マイクロチップで管理され、定期的な健康診断も行われています。​

観光客は猫たちと触れ合いながら、動物福祉の大切さや自然との共生について学ぶことができます。​施設は毎日午前10時から午後3時まで開放されており、無料で訪れることができます。​猫と人、そして自然が調和するこの場所は、「命を大切にすること」の意味を改めて気づかせてくれる、心温まる空間。いつか必ず旅してみたい場所の一つです。

日本の猫の島

日本には猫の島と呼ばれる場所がたくさんあり、もちろん茶トラ猫と人間が共生する姿が見られます。以下は、有名な「猫の島」に関する情報を表にまとめたものです。

島の名前都道府県名人口猫の数
相島(あいのしま)福岡県215100
青島(あおしま)宮崎県9210
田代島(たしろじま)宮城県55100
沖の島(おきのしま)福岡県3502(最盛期は数十匹)
佐柳島(さなぎじま)香川県57100
神島(こうのしま)高知県2060
※人口・猫の頭数に関しては毎年変動しています。

田代島は政府広報オンラインでも紹介されていて、日本観光の魅力の一つとなっています。これらの「猫の島」は、猫を愛する人々にとっては魅力的な訪問地であり、各島の独自の文化や自然を体験することができます。

次は私が住む北海道の素敵なお話です

100万羽の海鳥と250人が暮らす“小さな地球”天売島

北海道羽幌町(はぼろちょう)から、30km沖合の日本海に浮かぶ天売島。北海道本島に面した東海岸に人が住み、高さ100m以上の断崖が続く西海岸に8種類100万羽の海鳥が3月から8月にかけて繁殖地として利用します。100万羽と250人が周囲12kmの陸地で共に暮らす奇跡の島、それが天売島です。

天売島観光サイト https://www.teuri.jp/

私の住む北海道には、天売島(てうりとう)という島があり、8種類100万羽の海鳥が3月から8月にかけて繁殖地として利用します。珍しい野鳥がたくさん見れたり、バードウォッチャーが憧れる赤い足が特徴のケイフマリの観察もできる島です。

ですが、10数年前に野良猫が繁殖し、一時は200匹までに増えたそうです。多くのヒナが被害にあったため、町は去勢手術や飼い猫を登録制にしたり、捕獲して譲渡するという取り組みを行いました。

その結果、殺処分することなくほぼ一掃し、現在では野良猫の目撃情報が無いそうです。町や住民の皆様の努力がとても素晴らしく、心から尊敬の念を抱きました。これこそ、人間と動物の共生の美学ですよね。

最後に:猫を通じて文化と科学が交差する時代へ

猫は、私たち人間にとって、ただのペットという枠をこえた特別な存在です。古代エジプトでは神の使いとして大切にされ、ローマでは歴史ある遺跡の中で静かに寄り添いながら生きています。ベルギーでは猫を讃える祭りが続き、イスタンブールでは街の一員として自然に人々の暮らしに溶け込んでいます。そして、ハワイのラナイ島には、生態系と猫が共に暮らす「猫の楽園」があります。

最近では、茶トラ猫の毛色の秘密をめぐる長年の謎が、日米の研究チームによって解明され、猫を科学の目で見つめ直すきっかけとなりました。猫は、癒しや喜びを与えてくれるだけでなく、文化や歴史、そして自然とのつながりを思い出させてくれる存在です。

国も時代も越えて、ずっと人々に愛されてきた猫たち。「世界の猫たちにふれあう旅」を計画してみるのも、楽しそうですね!

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