ゴールデンカムイに登場する北海道犬（ほっかいどうけん）ってどんな犬？

2024年3月7日2024年9月11日

山崎賢人主演の映画『ゴールデンカムイ』が大ヒット上映中で話題ですが、原作本の中で登場するアイヌ犬『リュウ』についてご存知でしょうか。古くは縄文時代から存在する犬で、主に北海道で飼育されてきた日本犬の一種です。

とってもお茶目なキャラクターのリュウですが、なんと天然記念物に指定されている貴重なワンコです！筆者は北海道在住ですが、残念ながら飼ったことはありません。機会があれば飼育してみたいと考えている犬種の一つです。

ここでは希少な北海道犬の魅力について、深掘りしていきたいと思います。

北海道犬の歴史

現在の北海道犬は、縄文時代初期から存在しており、東北地方から北海道へ渡った人々によって連れられてきたマタギ犬（山岳狩猟犬）がルーツとされています。当時、アイヌの人々によって熊や鹿などの猟犬として活用されていました。

熊や鹿の猟ですから、原始的な強さがみなぎるとても勇敢な犬ですね。アイヌ人は、犬を「セタ」や「シタ」と呼び、神聖な存在として扱っていたことから、「アイヌ犬」と呼ばれた時代がありましたが、一時は絶滅の危機に瀕しました。

アイヌの猟犬としての歴史が長かったのですが、昭和12年(1937年)12月、国の天然記念物に指定され、それ以降は、北海道犬（ほっかいどうけん）と呼ばれるようになりました。

さて、この北海道犬が広く知られるようになったのは、某通信会社のCMで『白戸家のお父さん』として起用されたのが一因となっているのではないでしょうか。

初めてそのCMを目にした時、犬をお父さんと呼ぶので、一瞬止まりました。見間違い・聞き間違いかと思いましたが、次に同じCMを目にした時にも、やはり犬をお父さんと・・そこでやっと認識。なんともウィットに富んだ面白いCMだな〜と感心しました。

北海道犬は、日本犬保存会により「柴犬」「紀州犬」「四国犬」「北海道犬」「甲斐犬」「秋田犬」の6種の中の1種として日本犬と指定され、それぞれが国の天然記念物になっています。
公益社団法人日本犬保存会　https://www.nihonken-hozonkai.or.jp/

厚真虎毛犬

北海道犬の中で、虎毛模様の犬を『厚真犬』と呼ばれます。北海道の胆振管内厚真町では、町の獣として指定されていて、『厚真虎毛犬』の保存を目的に犬の購入費の一部を補助していて時期もありました。時には勇敢に熊と闘っていたという、天然記念物の種を絶やしたくはないですね。

北海道犬（全体的には日本犬と同様の印象です）は警戒心が強く、知らない人や犬に対して吠えたり攻撃的になりやすいため、子犬のうちから様々な人と触れ合わせたり、他の犬と会わせたりという「良い経験」を積ませることが大切です。

少し前の話になりますが、とても美味しい炉端焼きのお店がありました。そこの看板犬が「姫ちゃん」という真っ白い、メスの北海道犬でした。

性格はとてもおとなしく、当時は頻繁に通っていたお店ですが、鳴き声を聞いたことがありません。食べ物の匂いが充満している店内でも、一定の場所で静かに過ごしていました。

姫ちゃん用の特別メニュー（串焼き）があり、これを頼むと、姫ちゃんに食べてもらえるのです♫

ですがこれは、1日に１食限定。健康を考え、追加注文を絶対に許さなかった店主さん。深い愛情が伝わります。

スタートダッシュの遅い私は、注文をしたことがありません笑。姫ちゃんにお肉をあげる他のお客さんを、いつも羨ましく思いながら見ていました。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。北海道犬について、イメージが変わった方もいらっしゃるのではないでしょうか。飼い主さんのしつけや生活環境によって、家庭犬としての飼育も可能のようです。

勇敢で賢く、飼い主に忠実な魅力あふれる北海道犬。天然記念物の大切な種が絶えることなく、人間とより良い共生が続くことを願っています。

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